予防医療とは

病院やクリニックに通われる患者さまの多くは、体に何らかの異常を感じて医師の診察を受け、病気と診断されたら治療(薬物療法 など)を行うというパターンが大半かと思います。
当院では、これまでの診療方法だけではなく、予防医療という観点からも地域の皆様のお役に立ちたいと考えています。そもそも予防医療は、例えば脳血管障害を引き起こした方が再発を防ぐ、あるいは病気を重症化させないといったケースはもちろん、健康な方ができるだけ長くその状態を維持できるよう、食生活や運動不足を見直すなど生活習慣の改善なども含まれます。
つまり医療を単に体の悪い状態を良くしていくためのものと考えず、健康の維持・増進、あらかじめ病気を予防するために何が必要かをやっていくのが予防医療です。具体的には、生活習慣病対策としての食生活(バランスのとれた食事メニュー など)や運動(ウォーキングなどの有酸素運動)、禁煙、定期的に健康診断や人間ドックを受ける、病気を発症している場合は、さらなる悪化を防ぐためのリハビリテーション(機能回復訓練 など)のことを言います。
これといった病気を罹患していなくても健康上の不安を感じているという方、こんなことで来院するなんて…、とは思わずにお気軽にご相談ください。
禁煙外来
禁煙したいと考えている喫煙者の方を対象としています。タバコは長期間に渡って吸い続けると肺気腫(COPD)の原因となるほか、タバコの煙には発がん性物質が多く含まれることから吸わない方と比べて発症リスクが高くなります。このような観点からも十分に検討する必要はあるかと思います。
当院では、禁煙治療を希望する患者さまに対し、まずヒアリングとして、現状の喫煙状況(1日あたりの喫煙本数、喫煙歴 など)をお聞きしていきます。問診や視診などから医師が治療をする必要があると判断すれば、禁煙補助薬が処方されるようになります。なお禁煙補助薬を使用されている間は、定期的にご受診する必要があります。
また禁煙治療をされる場合、ある一定の条件を満たしていれば保険が適用されます。その判定は、医師が初診時に行います。なお、適用外となった場合でも全額自己負担とはなりますが、同様の禁煙治療を受けることはできます。保険適用の条件については、以下の表をご覧ください。
- ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
- 35歳以上の方でブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上(例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります)
- すぐに禁煙したいと考えていること
- 医師から受けた禁煙治療の説明に同意し、説明内容に納得された時は、文書で同意(サイン等)すること
禁煙を決断したら即座にご受診を
タバコを辞めるのは自分の意志次第でどうにかなるというのは間違いです。タバコにはニコチンの成分が含まれているのですが、吸い続けると脳内のニコチン受容体に同成分が結合してしまい、ドーパミンが脳内で供給されます。これによってタバコを吸い続けることで「おいしい」、「ホッとする」といった感覚が引き起こされるようになるのです。そしてニコチン切れが起きると「イライラ」、落ち着きがないなどの症状が出るようになって、再びタバコを手にするといった悪循環を繰り返すようになるのです。
これがニコチン依存症と呼ばれるもので、薬物依存の一種とも言われています。したがって、自分の意志だけで禁煙していくのは困難ですので、禁煙外来を設けている医療機関を受診されるようにしてください。
治療ついて
医師が診察した結果、禁煙補助薬の治療が必要と判断された場合、ニコチンパッチ(少量のニコチンが含まれている貼付薬)による薬物療法を行っていきます。詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。
禁煙の治療期間は、約3ヶ月となり、初回診察⇒2週間後⇒4週間後⇒8週間後⇒12週間後と、合計5回の診察を受けることになります。治療中、最も大切なことは、診察を中断しないことです。9ヶ月後の禁煙継続率を調べてみると、5回全ての診察を受けた人は47.2%、初回の診察で中断してしまった人では4.7%であり、禁煙治療を完了した患者さんでは、禁煙継続率が高い傾向がみられました。
禁煙治療の費用は、健康保険等を使って受けることができますので、自己負担が3割の人の場合、3ヶ月で1万3,000円~2万円程度となります。
健康診断
*項目によって料金は異なりますので、詳細はお問い合わせください。
健康診断料金
雇用時などの一般健診 (レントゲン、採血、心電図など) |
13000円 |
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レントゲンのみ | 7000円 |
採血のみ | 9500円 |
診察のみ | 5000円 |
胃がんリスク判定(ABC分類) | 4500円 |
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*血液検査で、ピロリ菌感染の有無と胃の粘膜の萎縮程度を測定し、胃がんの発症リスクを判定します。
予防接種
*予約が必要なワクチンもありますので、お電話でお問い合わせ下さい。
予防接種料金
肺炎球菌ワクチン(23価) | 9,000円 |
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肺炎球菌ワクチン(20価) | 12,000円 |
帯状疱疹(生ワクチン) | 8,500円 |
帯状疱疹(不活化ワクチン) | 22,000円 |
子宮頸がんワクチン(2価・4価) | 初回 18,000円 2回目以降 17,000円 |
子宮頸がんワクチン(9価) | 初回 31,000円 2回目以降 30,000円 |
破傷風ワクチン | 5,000円 |
A型肝炎ワクチン | 8,000円 |
B型肝炎ワクチン | 7,000円 |
麻疹(はしか)ワクチン | 6,000円 |
風疹ワクチン | 6,000円 |
麻疹・風疹混合ワクチン(MR) | 9,000円 |
不活化ポリオワクチン | 9,000円 |
二種混合ワクチン (ジフテリア・破傷風) |
8,500円 |
三種混合ワクチン (ジフテリア・破傷風・百日咳) |
8,500円 |
水痘(水ぼうそう)ワクチン | 7,500円 |
流行性耳下腺炎(おたふく)ワクチン | 7,000円 |
日本脳炎ワクチン | 8,500円 |
BCGワクチン | 8,500円 |
狂犬病ワクチン | 初回 17,000円 2回目以降 16,000円 |
RSウィルスワクチン | 26,000円 |
その他
その他料金
高山病外来 | 初回 4,000円 2回目以降 3,000円 (お薬代含む) |
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*高山病の予防薬、治療薬を処方いたします。
海外渡航外来 | 3,300円 |
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*ワクチン接種のスケジュールを組みます。