「過呼吸」になったら?

  • 2022.10.12

10月7日にSBSラジオ【IPPO】の〔情報三枚おろし〕のコーナーで、

「自分や周りの人が過呼吸になったときの対処法」について、お話させて頂きました!

その内容を少し変えて、ブログにも掲載致します。

  • 「過呼吸」とはどんな病気? どんな症状があるの?

「過換気症候群」とも呼びますが、不安や緊張などのストレスが原因で、「なんだか息苦しい」と感じ、息を何度も激しく吸ったり吐いたりする状態になることで、自律神経の乱れが関係していると言われています。過剰に呼吸をする「過呼吸」状態になることで、色々な症状が出てきます。

通常の呼吸では、酸素を吸い、二酸化炭素を吐いていますが、過呼吸になると、二酸化炭素を吐きすぎてしまいます。酸素を多く吸っても問題はありませんが、二酸化炭素を吐きすぎると、身体の中の二酸化炭素の濃度が低くなり、血液がアルカリ性に傾きます。これに伴い、動悸、胸の痛み、頭痛やめまい、意識障害、さらには、唇や手足のしびれ、筋肉のけいれんや硬直などが起こります。

このような症状が出てくると、一層パニックとなり、呼吸困難も感じ、症状はさらに悪化するといったような悪循環に陥ります。

  • 「過呼吸」は、どんな時になりやすい?

精神的ストレスがかかったとき、逆に、ストレスから開放された安心感がきっかけになることもあります。

それ以外にも、発熱、入浴、激しい運動、注射などが引き金になることがあります。運動会や、予防接種などで過呼吸が起こることも、多いです。

また、苦手な状況もストレスになりますので、人混みや極端に狭い場所、電車やバスなどの公共交通機関、歯医者さんや美容院、他にも逃げ場がないと感じるような状況で不安が高まり、発作が起こることもあります。

  • 「過呼吸」は、どんな人がなりやすい?

10代~30代の若い女性が多いと言われています。比率は、女性が男性の2倍程度です。

心に抱えている不安や恐怖、緊張など精神的なストレスが引き金となりますので、発作を起こしやすい性格としては、「真面目」、「神経質」、「几帳面」、「心配性」、「緊張しやすい」などがあります。

  • 自分がなった時、近くにいる人がなった時、どんな風に対処するのがいい?

まずは、怖い病気ではないことを理解し、冷静に対応することが重要です。

発作は、ほとんどが、15分~30分程度で治まり、後遺症などもありません。

周囲の人は、危険な状態ではないこと、症状は必ず治まることを伝え、安心させることが大切です。具体的には、必要があれば落ち着ける場所に移動する、背中をさすったり、話しかけることで、安心させたり、注意をそらすことが効果的です。

呼吸法としては、10秒くらいかけてゆっくりと呼吸する、特に、吐くことに時間をかけましょう。吸って、吐いて、吐いてのように、吸って、吐くリズムを1:2で行うと良いでしょう。また腹式呼吸が有効ですので、うつ伏せに寝かせたり、前かがみに座る姿勢にして、あえて腹式呼吸をしやすい体勢にしてみても良いかもしれません。

以前は、「ペーパーバック法」と言って、紙袋を口に当てて、自分が吐いた息を再度吸うことにより、二酸化炭素の濃度を上げる方法が行われていました。しかし、酸素の濃度が低くなってしまう可能性があることと、かえって不安を強くさせてしまうこともあり、最近は推奨されていません。

  • 「過呼吸」の治療法は?

過呼吸の発作は、一時的なものがほとんどです。発作が改善しない場合や、発作の予防として、抗不安薬と言った、緊張を和らげる安定剤のような薬を使うこともあります。

心臓や呼吸器などの、身体の病気が隠れていることもありますので、はじめて発作を起こした方や、比較的高齢の方、持病のある方は医療機関を受診してください。

繰り返し発作を起こす場合は、パニック障害などの心の病気が関連していることがありますので、心療内科や精神科の受診を検討してください。

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