50歳を過ぎたら、帯状疱疹ワクチン!
- 2021.10.28
〇帯状疱疹とは
水痘(みずぼうそう)と帯状疱疹は、同じウィルスによる病気です。
水痘が治ってもウィルスは体内に残ります(中年以降の方の90%以上)。
それが何かの拍子に活動を再開すると、帯状疱疹を発症します。
多くの場合、加齢などにより免疫の力が弱まると、帯状疱疹は起こりやすくなるのです。
特に50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。
〇帯状疱疹の症状は
体の片側の一部にピリピリとして痛みがあらわれ、その部分に赤い発疹が出てきます。
痛みは徐々に増していき、夜も眠れないほど激しい場合もあります。
症状の多くは上半身にあらわれますが、顔や目、頭などにあらわれることもあります。
〇合併症は
神経が傷つき、皮膚の症状が治った後も、痛みが残ることがあり、3ヶ月以上痛みが続くものを、帯状疱疹後神経痛(PHN)とよびます。
PHNの痛みは、「刺すような痛み」や「焼けるような痛み」と表現され、数年にわたって痛みが改善されないこともあります。
帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるといわれています。
特に高齢者ではリスクが高く、PHNを防ぐためにも帯状疱疹の予防が大切です。
帯状疱疹は、頭部から顔面に症状が出ることもあり、目や耳の神経が障害されると、めまいや耳鳴りといった合併症がみられることがあります。
重症化すると、視力低下や失明、顔面神経麻痺など、重い後遺症が残る可能性があります。
(参考:グラクソスミスクライン パンフレット)
〇 帯状疱疹の予防は
現在、2種類のワクチンが使用されています。
不活化ワクチンの方は、帯状疱疹専用に開発されたワクチンで、予防効果は非常に高くなっています。
<ワクチン接種対象者>
*50歳以上
*過去に水痘や帯状疱疹にかかったことがある人
水痘ワクチン | 帯状疱疹ワクチン | |
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
接種回数 | 1回 | 2回 |
接種間隔 | ― | 2ヵ月後 ※2ヵ月を超えた場合、 6ヵ月後までに接種 |
接種費用(当院規定) | 7,500円/回 | 20,000円/回 |
予防効果 | やや弱め(50~60%) | 非常に強力(90%以上) |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
接種後の副反応 (接種部位の痛み、腫れ、赤み) | 頻度低い 3日~1週間程で症状消失 | 頻度高い 3日~1週間程で症状消失 |
効果持続 | 5年程度 | 半永久的 |
(Dr. and Ns. K&S)